
Bobby Womack / I Can Understand It
漆黒のFunkがクラブ仕様へと進化した瞬間
漆黒のFunkがうねり、Bobby Womackの魂が爆ぜる——Club仕様の6分超Extended Mix。70年代ソウルを語る上で欠かすことのできないシンガー/ギタリスト Bobby Womack。その代表曲のひとつ I Can Understand It は、もともと1972年の名盤アルバム Understanding に収録され、当初は7インチ・シングルとしてショート・バージョンがリリースされていました。しかし、あまりにもファンキーでクラブ映えする楽曲だったため、DJからの強いニーズを受けて1978年に6分超えのExtended VersionとしてUKで12インチ化されたというコトになります。今回レコメンドするのは、その「クラブ仕様アップデート」の決定版と言える12インチシングルです。
イントロからフロアを支配するFunkの推進力
針を落とした瞬間、太く跳ねるドラムが空気を切り裂き、ファンキーなリズム・ギターとパーカッションがグルーヴを加速させるっ!イントロからすでにハンパない熱量が伝わり、黒光りするようなFunkのドライブ感が身体を前へ前へと押し出してくる。この躍動感こそ、ショート・バージョンにはない12インチならではの醍醐味ですね。ビートが長く持続することで、ダンサーもDJも余裕を持ってこのグルーヴに身を委ねるコトができる。
Bobby Womackという「リアルSoul」の塊
そして何より圧巻なのは、Bobby Womackのヴォーカルワークです。荒々しく、しかし深みのある声で感情をぶつけるように歌い上げる姿は、まさにリアル Soulそのもの。リリックは「理解しようとするココロ、歩み寄る気持ち」をテーマにしつつ、Bobby Womack特有の熱と哀愁を併せ持つメッセージが込められていて、力強いFunkサウンドの中にも人間味がシッカリと宿っています。ただ踊るためだけの音ではなく、感情を揺さぶる力があるからこそ、この曲は時代を超えて支持されてきたのでしょう。
中盤ブレイクで炸裂するギターとフロアの高揚
中盤のブレイクでは、キレ味抜群のギター・ソロが炸裂っ!ここで一瞬ビートが抜け、Bobby Womack自身のギターが鋭く切り込むのですが、この瞬間の高揚感が実にクセになる。クラブであれば、まさにフロアのテンションが一段階引き上げられる瞬間といったカンジですね。12インチ化された理由が、理屈ではなく体感として理解できる最高のブレイクです。
UKクラブが求めた「踊れるSoul」の完成形
1978年当時、UKのクラブではアメリカ産Funk〜Soulの12インチシングル化が加速し、より長尺で踊れるヴァージョンが強く求められていました。この I Can Understand It のExtended Versionは、その流れの中で生まれた1枚で、SoulからDiscoへの橋渡し的存在として多くのDJのプレイリストに加えられた名作です。Funkの黒さを残しながら、ミックスしやすい構成にアップデートされたことで、現在のDJセットでも違和感なく機能するタイムレスな1枚となっています。
Loft Classicとして今なお鳴り続ける理由
イントロからラストまで、テンションが落ちる瞬間が一切ない。Funkの熱さ、Soulの深さ、クラブ仕様の拡張力——そのすべてが詰まった、まさにカンペキな12インチ化と言える1枚です。Loft Classicとしても知られるこの曲は、針を落とした瞬間にフロアの空気を変え、黒いグルーヴで人々を結びつける力を持っています。ただの懐古では終わらない、今なお生き続ける「黒の魔力」を体感できる1枚ですよ。
1978リリース